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夏時間の庭 |
2008年 フランス(L'HEURE D'ETE)
家族
<監督>オリヴィエ・アサイヤス
<キャスト>ジュリエット・ビノシュ, シャルル・ベルリング, ジェレミー・レニエ
<ストーリー>
パリから50分程の小さな町ヴァルモンドワにある一軒の邸宅で、母、エレーヌ(エディット・スコブ)の75歳の誕生会が開かれ、離れて住む3人の子どもたちが家族を連れて、賑やかに集まっていた。そこで、エレーヌは、自分の死後の事を、長男のフレデリック(シャルル・ベルリング)に、託すのだったが・・・。
<感想>
ドラマというより、母親の残した財産の後始末の様子を、リアルにレポートしたドキュメンタリーのような映画でした。
というのも、この映画は、オルセー美術館20周年企画として全面協力の下に製作された映画なのだそうで、
なるほど、遺品の品々は、皆、歴史的にも、芸術的にも、価値のあるものばかり。
そのせいで、庶民の暮らしとは、少々隔絶したような話になってもいましたが、
そんな貴重なものの中で暮らすって、どんな感じなのかな〜と、想像するのが楽しかったです。
日頃、100円均一の品々の中で暮らしているような私としては、すばらしく贅沢で、うらやましい限りな環境です。
ちなみに、映画の中の品々は、絵画を除いたすべてが美術館や個人所蔵から貸し出された本物なのだそうで、キャストも俳優も、みんな気を遣っての撮影だったことでしょう(^^)。
全編にわたって淡々とした映画で、ストーリーの流れも、登場人物たちの会話の中でのみ、描かれています。
母親を亡くし、そして、それぞれの生活のために、離ればなれに生活するようになる兄弟。
時の流れと共に、生活様式も変化して、古きもの懐かしきものが、手を離れてゆく寂しさを感じました。
多少無理しても、この思い出の詰まった屋敷や調度、手放したくないという、長男のフレデリックの気持ちが、痛いほどよく分かり、ガランとした部屋の中を見るのは、辛かったです。
ラストには、美術館に陳列されている品々が映し出されますが、なんだかこれが、痛々しくて・・・。
それよりも、家政婦のエロイーズが、価値あるものと知らずに持っていった、あの花瓶の方が、何倍も、幸せなような気がしました。
主演は、ジュリエット・ビノシュ。
いつになく綺麗に見えました(^^)。
驚いたのは、次男を演じていたのが、「イゴールの約束」の、ジェレミー・レニエだということ。
映画を見ていたときは、ちっとも気がつきませんでしたし、後で確認しても、顔が変わっていて、全く分かりませんでした。
でも、最近、色々な映画に出ているようだし、いい方向に変わっていて、よかったわ(^^)。
(2012,10,08)
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