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ニコラ      


1998年 フランス ミステリー

<監督>クロード・ミレール
<キャスト>クレマン・ヴァン・デン・ベルグ , フランソワ・ロイ

<ストーリー>
スキー教室に参加するニコラ(クレマン・ヴァン・デン・ベルグ)は、途中のバス事故を心配する父親によって、一人だけ、父の車で、参加することになった。宿舎に遅れて到着したニコラは、他の参加者となじめるかどうか、おねしょをしないかどうかなど、心配事がたくさんあった。その上、彼は、荷物を父の車から降ろすのを忘れてしまった・・・。

<感想>
親から離れて、スキー教室に参加するニコラの不安は、よく分かります。しかも、一人だけ別行動で現地まで行かなければならないのだから、なおさらです。不安の元は、他にもあって、考えれば考えるほど、不安になってしまうことでしょう。

そして彼には、空想癖がありました。
空想癖・・・子供ならもちろん、大人になってからもあるかもしれません。それまでの印象的な出来事と、現実とが結びつき、自分の望む結末を空想する・・・。
ニコラの場合は、結構怖いことを空想してました(^^;。それは、両親、特に、父親が厳格であることと、大いなる関係があるのかもしれません。なんでも、自分の思い通りにしようとする父親の圧迫から、ニコラは、無意識に、逃げようとしているのでしょうねーー。
小さくて、非力なうちは、そうやって、自分自身を守ろうとするのかもしれないです。・・・今の日本では、それが、空想にとどまらず、実際に実行してしまうところが怖ろしい・・・(T_T)。
そして、その空想癖は、ある事件と絡んで、ますます大きくなって、そして、スキー教室に参加した子供達をも巻き込んでゆくのです。

映画は、ニコラの現実と、空想の世界を同時に描いているので、最初は、戸惑いました。果たしてこれは、空想なのか、現実なのか、夢なのか・・・?
更に追い打ちを掛けるかのように、事件が起きて、そして、結末がやってきます。
いったい何があったのか??父親の手首の傷や、ニコラに対する態度、そして、実際に起きた事件とは、どんな関係があったのか・・・?
あとは自分で想像しろという、いかにもフランス映画っぽい、終わり方でしたが、結構それを楽しんでいる自分もいるのでした。

ニコラを演じたクレマン・ヴァン・デン・ベルグ君が、なかなかすばらしいのです。気弱そうなのに、したたかで、素直そうなのに、大胆で・・・。彼に、すっかり騙されたような、そんな気もする映画でした。(2006,07,02)



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