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胡同(フートン)のひまわり |
2005年 中国 (SUNFLOWER)
<監督>チャン・ヤン
<キャスト>
ジョアン・チェン, スン・ハイイン
<ストーリー>
1976年、北京。いたずら盛りの9歳のシャンヤン(チャン・ファン)は、悪さをしては、いつも母親(ジョアン・チェン)にしかられてばかりだった。そんなある日、文化大革命で強制労働に従事していた父親(スン・ハイイン)が、6年ぶりに帰ってくる。顔も覚えていない父親の帰宅に、シャンヤンは、戸惑うのだった・・・。
<感想>
題名にある「胡同(フートン)」とは、地名ではなく、”北京市の旧城内を中心に点在する細い路地のこと”(wikiより)だそうです。
なるほど、映画で描かれているのは、入り組んだ細い路地に囲まれた粗末な家を中心とした物語でした。
映画の時代背景は、文化大革命が終わった直後で、強制労働にかり出されていた父親が、6年ぶりに、自宅に戻ってきます。
ひどいですよねーーー、この時期の中国は。
多くの文化的な財産を失った時代でした。
これは、そんな時期の、ある家族を描いた作品です。
父親は、招集前は、画家だったのですが、腕を痛めて、絵を描くことができなくなり、自分の夢を息子に託すことに生き甲斐を見いだします。
でも、息子にとっては、父親の期待過多で重荷になっている様子。
遊びたい盛りなのに、無理矢理絵を描かせたりして、かわいそうでした。
でも、絵を書けなくなってしまった父の悲しい胸の内も、分かるんですよねーーー。
そんな父と息子の葛藤を描いた作品です。
国の風習や、生活観は違うけれど、どの世界でも、父親と息子のこんな対立って、あるんだろうなと思って見てました。
それと同時に、激しく変化する中国の暮らしぶりが分かるのも面白かったです。
昔貧しかった頃には、フートンのボロ屋に住んでいたけれど、数十年後には、近代設備の整ったマンション暮らしですからね〜。
時の流れは、日本の、2〜3倍・・・それ以上かな・・・の感じでした。
終盤のお父さんの様子は、時代に翻弄された男の寂しさを感じさせました。
結局、お父さんは、国だけでなく、家族のためにも、自分の人生を犠牲にしたという思いが強かったんでしょうか。
それとも、中国では、子どもが独り立ちするまでは、親の自由はないという考えなんでしょうかねぇ。
息子の恋人だったチャン・ユエが、とっても可愛かったな〜(^^)。(2011,10,15)
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