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炎のランナー      


1981年 イギリス スポーツ・歴史

<監督>ヒュー・ハドソン
<キャスト>ベン・クロス , イアン・ホルム , ブラッド・デイヴィス , ナイジェル・ダヴェンポート

<ストーリー>
1919年、ケンブリッジ大学に進学したエイブラハムズ(ベン・クロス)は、走ることに天賦の才能を発揮し、1924年にパリで行われるオリンピックでの優勝を目標にして、厳しい訓練に耐えていた。一方、彼のライバル、リデル(イアン・チャールソン)も神父という仕事を持ちながら、オリンピックでの優勝を目指すのだった・・・。

<感想>
よく聞くこのメロディーは、この映画の音楽だったんですね。希望が湧き上がってくるような、とても印象に残るいい曲ですね〜(^^)。

ユダヤ人のエイブラハムズは、イギリスの名門、ケンブリッジ大学に入学するが、自分がユダヤ人であることに思い悩むのです。こういうところでは、イギリスという国は、まさに、イギリス人の国だなぁと感じました。日本と同じ島国ですから、なおさらなのかもしれません。国を持たないユダヤ人の苦悩、これはまさに、ユダヤ人にしか分からない苦しみなのだろうと思いました。

一方のカソリック神父のリデルは、スポーツと、自分の信念の間で葛藤します。いい加減な私から見ると、何もそこまで厳密にしなくても・・・と思うのですが、それは、人それぞれ。個人の信条は、尊重されるべきものであって、他人が介入できることではありません。

私自身は、走ることがあまり好きではなく、特に短距離は足の長さに比例するのか、いつもブービーぐらいの着順で、全然楽しくない競技なので、あまり彼らの、走ることの楽しさというものが理解できないのですが、才能があったら、こんなものなのかもしれないですね。自分を高め、自分に与えられた才能を十分に生かし切るっていうことは、大切なことだと思います。
彼らのように、自分の才能を楽しむことが出来たら、なんて素敵なんでしょう。

それにしても、スポーツ界も、時代によって、そのトレーニング方法なども進歩するもんなのですね〜。当時の練習風景を見ると、思わず笑ってしまうような箇所もありました。
また、当時、オリンピック大会において、プロは競技場の中にも入れなかったというエピソードもあり、当時の、プロアマの厳然たる線引きを感じました。当時のオリンピックは、国や大学、そして個人の名誉のためにあったのですね。

出演者の中に、エイブラハムズのコーチとして、イアン・ホルムが出ている他は、知らない人ばかりでした。全体に、大学生とは思えないような年齢の俳優を使っているせいか、溌剌としたスポーツ映画ではなく、どちらかというと、重さを感じるスポーツ映画でした。(2006,06,06)



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