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僕がいない場所 |
2005年 ポーランド
<監督>ドロタ・ケンジェルザヴスカ
<キャスト>ピョトル・ヤギェルスキ , アグニェシカ・ナゴジツカ
<ストーリー>
少年クンデル(ピョトル・ヤギェルスキ)は、孤児院に預けられていたが、ある日、そこを抜け出して、母親(エディタ・ユゴフスカ)の元へと向かう。しかし、母は、彼を拒絶する。仕方なく、一人で生きることを選択する彼だが、周囲の状況は、厳しかった。そんなある日、彼が寝起きする廃船の近くの家の少女(アグニェシカ・ナゴジツカ)が、彼を訪ねてくる・・・。
<感想>
ポーランド映画です。珍しいですね〜。
主人公のクンデル少年は、いったい何歳なのでしょう。
10歳ぐらいか、それとも12歳ぐらいか・・・。
どちらにしても、彼にとっては、過酷な人生のはじまりだったことでしょう。
母親がいるのに、孤児院に預けられ、しかも、会いに行っても拒絶され、それでも、母のそばにいて、母を見ていたいと思う彼の気持ちを思うと、胸がつぶれそうでした。
でも、彼は、驚くほど生活力があり、一人で生きていこうとします。
その顔は、まるで大人のように老成し、目つきも鋭く、子供らしさがありません。
彼を取り巻く厳しい環境が、彼をこうしてしまったのでしょうか。
ポーランドの秋風が寒々しさを演出します。
彼は、母を思い出すのか、がらくたのオルゴールをいつも手にし、知り合った少女には、自分の夢を言葉少なく語ります。
こういうシーンで、彼の、数少ない子供らしい一面が、かいま見られて、女性監督ならではの、繊細さが感じられました。
この作品は、新聞記事をヒントにした、実話だそうです。
誰も彼を助けようとせず、それどころか、彼など、いないかのように、振る舞っている中で、
少女との関わりは、きっと彼の心のやすらぎだったことでしょう。
この映画のすばらしいところは、演じている子供たちです。
特に、主人公、クンデルを演じているピョトル・ヤギェルスキ君は、すごい!
幼いのに、全てを達観したかのように、大人びていて、
子供版、ポール・ベタニーを見ているようでした(^^)。
彼は、撮影直前に、小さな町で見いだされて、主役に抜擢されたそうで、
それ自体が奇跡のような話です。
あまりにも印象的な映画だったので、彼が夢に出てきましたよーーー(^^;。(2010,03,11)
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