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ベンジャミン・バトン 数奇な人生      


2008年 アメリカ ファンタジー・ミステリー・ロマンス   

<監督>デヴィッド・フィンチャー
<キャスト>ブラッド・ピット , ケイト・ブランシェット , ティルダ・スウィントン , ジュリア・オーモンド , ジェイソン・フレミング , エル・ファニング, タラジ・P・ヘンソン , マハーシャラ・アリ

<ストーリー>
1918年、ニューオーリンズで生まれた男の子は、まるで老人のような赤ん坊だった。父親(ジェイソン・フレミング)は、ショックのあまり、赤ん坊を捨ててしまう。その赤ん坊を拾ったのは、黒人女性、クイニー(タラジ・P・ヘンソン)。彼女は、その子をベンジャミン(ブラッド・ピット)と名付け、大切に育てた。すると、不思議なことにその子は、年とともに、若返ってゆくのだった。そして、ベンジャミンは、ある日、6歳のデイジー(エル・ファニングのちにケイト・ブランシェット)と運命的な出会いをする・・・。

<感想>
逆回りする時計のように、人生を逆に生きた男、ベンジャミンの一生を描いた物語です。

老人で生まれ、どんどん若返ってゆく気持って、どうなんでしょう。
将来、若くて美しい自分になることが分かっていたら、それは、きっと楽しくて、ワクワクすることでしょう。でもそれは、そうなってから初めて分かること。実際には、今現在の自分を受け入れることしか出来ないんでしょうねぇ。

映画を見て感じたのは、人の一生の多くの部分が老人だと言うこと。大人として、若くて楽しい人生を謳歌できるのは、せいぜい20年ぐらいの短い期間なんですね〜。人は、その間に、いろいろな経験を積み、様々なことを学んで、その後の老成期に、それを糧として、人生の深みを増してゆくのでしょう。
それなのに、ベンジャミンには、その蓄積がなく、突然、老人としての人生が始まります。
そんなわけで、映画の前半は、年寄りのブラピが、まったりと、丁寧に、その人生を再現しています。ここら辺の、微妙な若返り加減には、メイクさんも、苦労したことでしょう。
そんな彼は、外見は年寄りに見えるのに、実は、まだろくな体験をしてないわけですから、全てが未知の世界。本人は、ワクワクドキドキでも、知らない人が見ると、変なじいさんですよね〜(^^)。

ですが、後半は、ブラピが衝撃的な美しさを見せてくれました。それまでが、ずっと年寄りだったので、その効果は抜群です。思わずため息が出そうでした。
逆に、前半に、その美しさと若さを見せつけるのが、ケイト・ブランシェット。この美しさ、若々しさは、どうでしょう!映像処理をしてあるそうですが、とても自然で、本当に、本人の若いときの映像を見せられているかのようでした。

原作は、F・スコット・フィッツジェラルドの短編だそうですが、映画は、上映時間が167分と、3時間近くもある大作です。まさに、”数奇な人生”を見せられて、飽きることはありませんでしたが、これはキャスティングのすばらしさもあってのことだったと思います。やはりブラピですよね。後半には、若くて美しいブラピを見られるという期待感は、時間を短く感じさせる功績があったと思います(^^)。(2009,02,07)



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