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2011年 日本 
青春    
  
<監督>山下敦弘 
<キャスト>妻夫木聡,  松山ケンイチ,  石橋杏奈,  韓英恵,  長塚圭史,  青木崇高,  山本浩司,  三浦友和,  赤堀雅秋
  
<ストーリー> 
学生運動が活発化していた1969年、週刊誌の記者として働く沢田(妻夫木聡)は、学生運動の活動家と名乗る梅山(松山ケンイチ)と出会う。梅山の言動に、不審を抱きながらも、沢田は、彼との関わりを深くしてゆく・・・。
  
<感想> 
まず、この頃の日本と、今の日本、全く違う国のように変化した事に、大きな驚きを感じました。 
この真剣なまなざしや、大きな理想は、いったいどこに消えてしまったんでしょうか。
  
もちろん、この時期、大きな過ちを犯してしまった若者たちもたくさんいたわけで、 
暴力的な過激さによって、彼らの運動は、急速に一般学生たちの支持を失うことにもなったのですけど。
  
この映画に描かれているのは、その過ちを犯してしまった若者たちの話です。
  
原作は、作家・評論家の川本三郎の回想録で、自分自身の体験を綴った実話だそうです。
  
この頃の映画を見るのは、心が痛くて、苦手なのですが、 
この映画も、まさにその通り、痛くて痛くて、辛かったです。
  
主犯の梅山は、なんといい加減で、自己顕示欲の強い男でしょう。 
彼に心酔し、引きずられてしまった仲間たち。 
そして、主人公のジャーナリスト沢田も、ジャーナリストとしての功名心と、梅山に対する親近感によって、道を誤ってしまうのでした。。
  
どうして、あんなことになってしまったのか。 
今、あの頃を振り返れば、客観的に、そして冷静に、いくらでも非難出来るけれど、 
当時の暗い熱気の中では、連帯感とか、反骨とかが、何よりも重要で、 
葛藤しながらも、こうならざるを得なかった、熱病のようなものだったのかもしれません。
  
私には、この時代のことは、あまり理解できないけれど、 
当時、同年代だった人ならば、さらに、心に響く映画なのだと思われます。(2012,06,18)
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