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モディリアーニ 真実の愛      


2004年 アメリカ・ドイツ・フランス・イタリア・ルーマニア・イギリス 伝記

<監督>ミック・デイヴィス
<キャスト>アンディ・ガルシア , エルザ・ジルベルスタイン , ランス・ヘンリクセン

<ストーリー>
1919年のパリ。毎夜カフェに集まり、酒を飲みながら議論を楽しむ芸術家たち。その中には名の売れたピカソ(オミッド・ジャリリ)や、そんなピカソを目の敵にするモディリアーニ(アンディ・ガルシア)がいた。彼の絵は、まだ売れず、貧困と病気に苦しんでいたが、それを献身的に支えていたのは、ジャンヌ(エルザ・ジルベルスタイン )だった・・・。

<感想>
本当に、パリというのは、すばらしい都なんだと、こういう映画を見るたびに思います。
この映画には、ピカソや、モディリアーニの他に、ユトリロ、ロートレックなど、絵画の巨匠が、同じ時代に存在し、同じカフェで顔を合わせたりしているのですから、すごいです。
1830年代を描いた「年下の人」という映画でも、ドラクロワとか、三銃士の作者デュマ、作曲家のリスト、他の映画では、ショパンまで出てきます。パリを歩けば、巨匠にぶつかるって感じですよね〜〜〜〜。

モディリアーニは、日本でも、絵画展が開かれるぐらい有名な画家で、あの首の長い女性の絵は、知らない人はいないでしょう。これは、その彼の、物語です。
こんなに有名な彼も、生前は絵が売れず、困窮のために、酒や薬に溺れ、その上、肺結核の持病も持っていて、36歳の短い生涯だったそうです。映画を見ていると、それは、まるで、自ら命を縮めるような人生で、才能がある故の葛藤もあったのでしょうけれど、残念なことでした。

ロートレックの屋敷に行った帰りにピカソがモディリアーニに「絵画がもたらすものは、安楽と富と保証で、描いて金を得て長生きする」事が大切だと言った言葉が、印象的でした。ですが、これは、画家として成功を収めたピカソだから言えることで、苦労をしている最中のモディリアーニには、絵に描いた餅と一緒で、それ以上に、芸術を冒涜する言葉だと受けとめたのかもしれません。
しかし、芸術家にとっても、生前に世間に認められるかどうかが、人生を大きく左右することは言うまでもありません。
モディリアーニもジャンヌと共に、ピカソや、ロートレックのように、落ち着いた幸せな生活を送りたかったことでしょうねぇ。

モディリアーニの画風が、元々、首長でほっそりだったのか、愛するジャンヌが、そういう体型だったので、他の絵も、それに影響されたのか分かりませんが、少女の肖像画まで同じようなのには、ちょっと笑いました(^^)。
その点、妻ジャンヌ役のエルザ・ジルベルスタインは、面長で、絵のモデルにそっくりで、違和感が全然ありませんでした。
彼女も、モディリアーニ同様、気性が激しい女性だったようで、彼のために、身も心も、捧げ尽くし、愛のためだけに生きたような女性として鮮烈に描かれています。(2006,09,02)



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