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マリー・アントワネットに別れをつげて      


2012年 フランス・スペイン (FAREWELL, MY QUEEN)
歴史   

<監督>ブノワ・ジャコー
<キャスト>レア・セドゥ , ダイアン・クルーガー , ヴィルジニー・ルドワイヤン

<ストーリー>
1789年フランス。ベルサイユ宮殿で、王妃マリー・アントワネット(ダイアン・クルーガー)の朗読係として働くシドニー(レア・セドゥ)は、王妃に心酔していた。そんなある日、バスティーユが陥落したという知らせが届き、宮殿は、大騒ぎになる・・・。

<感想>
ベルサイユ宮殿内で働く人たちに焦点を当てた物語です。
華やかな宮殿の中での、使用人達の生活の様子は、新鮮で面白かったです。
彼らの仕事、食事、部屋、そして、人間関係。
近寄りがたいほどの華やかな宮殿の中にあって、その様子は、リアルな生活感で、親近感たっぷりです。

映像自体も、宮廷絵画から抜け出たような、しっとりとした美しさで描かれていて、一人一人が、本当に、まるで絵画の登場人物のようでした。。

そんな彼らの様子を見るにつけ、強く感じるのは、やはり、王妃の、贅沢で、絢爛な日常。
両者の比較対照という意味でも描かれているのでしょうが、実際、こんな感じだったのでしょうねぇ。
王だから、王妃だから、当時は当然なことだったのでしょうが、それらはあまりにも、普通の生活とは、かけ離れていて、その後の彼らの運命も、時代の流れとして、当然の結末だったと思えるのでした。

ヒロインのシドニーは、まだ若く、アントワネットお気に入りの朗読係として描かれています。
アントワネットのその時の気分に合わせた本を選び、朗読するのは、王妃を敬愛するシドニーにとって、この上なく贅沢で、貴重な仕事だったと思われました。

ただ、王妃のお気に入りと言っても、それは、たくさんいる使用人の中のただの朗読係としてであって、彼女の思いは、もちろん、決して報いられることはありません。
それでも、彼女にとっては、それが、かけがえのないことなのでした。

その日常が、バスティーユの陥落で、大きく変わってきます。
首をはねると宣告された貴族達は、次々と、宮殿を抜け出し、身の安全を図ります。
そんな状況にあっても、シドニーは、最後まで王妃とともに、あろうとするのですが・・・。

ちょっと残念だったのは、シドニーが、王妃の、どうゆうところを敬愛していたのかが、あまり描かれていないので、どうして、命をかけてまで彼女とともにありたいと願ったのかが、強く伝わってこなかったことです。
マリー・アントワネット本人が好きというより、”王妃”としての存在そのものが敬愛の対象だったようにも、思えるのでした。

主演のレア・セドゥは、とりたてて美人ではないのですが、この時代の衣装や髪型がよく似合っていて、彼女自身、絵画の中の人物の一人のように見えました。

アントワネットを演じたダイアンクルーガーは、まさに、高貴な美しさで、うっとりと見とれてしまうほど。 本当に、美人だわ〜〜(笑)

彼女が愛するポリニャック夫人を演じたのは、ヴィルジニー・ルドワイヤン。よく似ているなと思ったら、やっぱり、本人でした。まだ、女優、してたんですね。
彼女も美しくて、この役柄、似合ってました。

華やかな世界の物語も大好きですが、その裏側に生きる人たちの生活も、また、興味深く、面白かったです。
コスチューム劇が好きな方にお薦めです。(2014,04)



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