ラストキング・オブ・スコットランド |
2006年 アメリカ・イギリス 歴史・スリラー
<監督>ケヴィン・マクドナルド
<キャスト>フォレスト・ウィッテカー , ジェームズ・マカヴォイ , ケリー・ワシントン , ジリアン・アンダーソン
<賞>アカデミー主演男優賞(フォレスト・ウィッテカー)
<ストーリー>
1971年、スコットランドの医学校を卒業したニコラス・ギャリガン(ジェームズ・マカヴォイ)は、ウガンダのムガンボ村にある診療所で働き始めた。時は、軍事クーデターによってイディ・アミン(フォレスト・ウィッテカー)が新大統領の座についた直後だった。ニコラスは怪我をしたアミンの元に呼ばれ、治療をしたことから、彼の主治医になることを命令される・・・。
<感想>
ゴールデン・グローブ賞や、アカデミー賞で、何回もこの映画の紹介を見て、アミン大統領の独裁政治の顛末を知っていたせいでしょうか、映画が始まるとすぐ、緊迫感が襲いました。
クーデター成功によって、喜ぶウガンダ国民、そんな彼らをぬかりなく見据える兵士たち、アミンの一挙手一投足に敏感に反応する側近たち、そして、新政権発足に冷ややかな西洋人・・・。
ノーテンキなのは、新米医師のニコラスだけです。そして、そのノーテンキさを、危惧しつつ映画を見る私・・・。
力で生まれたばかりの政権は不安定で、再び力によって倒される危険性をいつもはらんでいるのに、彼の側近になってしまうとは、何ということでしょう。
でも、アミンの、あの、人を魅惑する笑顔と、人なつっこさ。そして、体の中からあふれ出すようなバイタリティーを前にしたら、誰であっても、彼の要望を、断ることは不可能だったかもしれません。
もし、そうだとしても、その後のニコラスの、第3夫人との不倫と妊娠は、あまりにも不用意で、不用心で、若気の至りというには、危険すぎる行動で、見ていて、舌打ちしたくなりました。
その後のニコラスの恐怖は、見ている私にまで感染して、恐怖に震え上がりました。
それは、ラストの飛行機のシーンで、最高潮となったのでした。
この演技で、アカデミー主演男優賞を獲得したフォレスト・ウィテカーですが、この演技は、やはり凄いです。愛嬌の塊のような笑顔と、人心を捕らえるカリスマ性、反対勢力に怯える小心さ、そして、裏切り者には容赦しない残虐性。
実際にも2メートルを超える巨体であったというアミン大統領ですが、ウィテカーが、しゃべる声で、部屋が震えるかと思うぐらいの大迫力でした。
ニコラスを演じたジェームズ・マカヴォイも、「ナルニア国物語」でのタムナスさんとは全く違うキャラを迫真の演技で見せてくれましたね〜〜。
全編にわたるスリリングな展開に、あっと言う間の125分間でした。
ラスト近くの拷問シーンは、「テキサス・チェーンソー」にも出てくる手法で、それだけは、やめてと、思わず、手を硬く握ってしまいました(T_T)。(2007,03,14)
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