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ランド・オブ・プレンティ           |  
  
2004年 アメリカ・ドイツ    
  
<監督>ヴィム・ヴェンダース  
<キャスト>ミシェル・ウィリアムズ  ,   ジョン・ディール  
  
<ストーリー> 
アメリカで生まれ、アフリカ、イスラエルで育ったラナ(ミシェル・ウィリアムズ)は、亡き母から、母の兄、ポール(ジョン・ディール)に宛てた手紙を持って、アメリカに帰国する。一方、ポールは、ラナの帰国も知らずに、アメリカを守るため、日夜、街の監視を続けていた・・・。
  
<感想> 
ヴィム・ヴェンダース監督作品です。この監督の作品は、「パリ、テキサス」、「ベルリン・天使の詩」、「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」、「ミリオンダラー・ホテル」と、見てきましたが、新しい作品ほど分かりやすくなっているような気がします。特に「ミリオンダラー・ホテル」は、なんともいえないあのホテルの住民たちが、とっても好きな作品です。
  
さて、この作品は、テーマ性のはっきりした映画です。といっても、最初は、なんだかさっぱり分からないのですが・・・。 
いつものように、なんの前知識もなく見始めると、まるでドキュメンタリーのような映像が続くので、これは、果たして??(^^;。と、最初は、失敗したかなーーーと、思いつつ、最初の1時間ぐらいは、グジグジ見ていました。
  
そして、ラスト近くになって、ようやくこの映画の訴えたいことがはっきりと分かります。 
相手の攻撃を恐れて、不審者を作り上げ、その動きを警戒し、そして先制攻撃する。端から見れば、まるで笑い話のようなことですが、怖ろしいのは、それをごく真面目に、そして、国を挙げて行っているということ。 
もっと、大きな視線で、愛情を持って接すれば、なんでもないことなのかもしれないのに・・・。 
でも、それは、結果が分かっているから言えることなのかもしれません。実際、映画の途中では、何が起こるのか、何が起こっているのかと思いましたから・・・。 
そんな危うい状況を、叔父と姪の生き方と比較して描いています。
  
まだこの映画の意図が全く分からなかった時点の混沌とした中でも、ラナ役のミシェル・ウィリアムズは、魅力的でした。怖れを知らず、疑うことのない瞳が、美しかったです。 
ベトナム戦争時のトラウマを抱えたポール役は、ジョン・ディール。彼のような人物は、実際にアメリカにいるのかもしれませんねぇ。(2006,12,14)
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