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ローサのぬくもり      


1999年 スペイン

<監督>ベニト・サンブラノ
<キャスト>マリア・ガリアナ , カルロス・アルヴァレス=ナヴォア

<ストーリー>
父とは断絶状態の35歳のマリア(アナ・フェルナンデス)は、都会で一人暮らしを続けていた。しかし、そんなマリアに都会の風は厳しく、仕事も長続きせず、妻子ある男との関係を空虚に続ける、酒浸りの生活を送っていた。そんなある時、父が倒れて病院に入院し、付き添いの母、ローサ(マリア・ガリアナ)がマリアのアパートに、同居することになる・・・。

<感想>
お母さん・・・。
まさしく、お母さんの映画です。

暴力的な父と、そんな父に従順なだけの母、ローサ。そんな両親への反発から、マリアは、かたくなに、都会で一人暮らしをするのだけれど、35歳になった彼女は、ただ生きるだけで精一杯の日々。何もない日々の積み重ね・・・。
そんな無味乾燥な生活の中に突然現れた母、ローサ。マリアにとって、煩わしい母との共同生活が始まったのです。

ローサは、殺風景な部屋に花を飾り、料理をし、そして、編み物をする。
ローサのそれまでの人生にしても、暴力的な夫との生活で、そんなに幸せではなかったようなのに、彼女は、無償の愛を、夫や娘、そして、アパートの老人にまで与えるのです。

まさしくお母さんですよね。
何の見返りも期待しない暖かいぬくもり。
このぬくもりの中にいつまでもぬくぬくとしていたい心地よさ。
ちょっぴり太めで、花が好きで、料理が上手で、常に編み物をしていた、数年前に亡くなった自分の母を思い出して、少し泣きました。

ラストのマリアと老人の話は、意外な展開でした(^^)。でも、これも、ローサの置きみやげの”ぬくもり”なんでしょうね。
この邦題、とっても好きです。(2005,04,06)



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