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「怪物がめざめる夜」 小林信彦 2000.10.10



メディアに乗って<現代の怪物>が跳梁する。
高度に情報化された大衆社会に潜む恐怖!(帯より)
怪物に餌をやるな!今ではそう言いたい。
若者のカルト的人気を得る深夜放送のヒーロー<ミスターJ>。
この’創られた天才”が、突如、自己を主張し反逆を始めた。
毒舌で大衆を扇動しつつ、攻撃の矛先を意外な方向にむけた・・・。
最も今日的な、<メディア社会の恐怖>に挑む小林信彦の最高傑作。(帯より)

隠れた人材を見出す才能を自負している放送作家が、
北海道から男を連れてきた。
そして、その男を、自分たちが作り上げた、鋭い社会批判を売り物にする「ミスターJ」に、仕立て上げた。
しかし、自分たちが、支配しているはずの「ミスターJ」が、
今度は、メディアを味方に付けて、牙をむきはじめる。
メディア、特に、扇動されやすい若者層を味方に付けたパーソナリティーが、
ラジオで、実名をあげて、個人批判する。
その翌朝の 、FAX攻撃、そして、さらには、傷害事件まで、引き起こし、ついには・・・・

おもしろかったです(^^)。 とくに、作られた「ミスターJ 」が、変貌して、
世話になったはずの人たちに、次々と、牙をむいてゆくところは、一気に読みました。
でも、こんな、個人攻撃は、許されるものでは、ありませんし、無いと、信じたい。