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「ダブルフェイス」 久間 十義
2000.11.20
渋谷で絞殺されたホテトル嬢は、超一流企業のエリート社員。彼女は何者だったのか?
東電OL事件を素材に、緻密な取材と構想で、警察捜査のすべてを描きつくした感動的巨編!(帯より)
現場の刑事は気づいた。「敵は警視総監なのか?!」
事件の被害者は島本晃子。
当初は行きずりの犯行と思われたが、晃子の自宅から政財界の要人メモが見つかったことで、事件の流れは急展開を見せる。
晃子は何故二つの顔を持っていたのか。
警察内の派閥争い、政財界のもみ消し工作に抗して、地を這う捜査を繰り広げる捜査本部が直面した。
都市に生きるものの底なしの心の闇。(帯より)
前半は、事件の説明と、登場人物の紹介で、少々退屈だったけれど、後半事件の本当の顔が見えて来るに従って、おもしろくなった。
男とともに、第一線で働く女性の心の奥に潜むものとは・・。
これが、フィクションで、あるなら、嘘臭くて、反発を感じるのだろうけれど、
実際にあった事件を、素材にして書いているものだから、読んでいて、非常に辛い。
本当の心の内は、彼女にしか分からないのだろうけれど、
ここまで極端ではないにしろ、このような二面性を、誰もが、持っているのは、事実でしょう。
それにしても、帯の「敵は、警視総監なのか?」は、ちょっと、大げさだよね。