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「深紅」 野沢尚 2001.02.26
12歳の初夏。両親と幼い弟二人は、父の仕事相手に惨殺された。
遺体の顔面はハンマーで砕かれ、家の中は家族の血で満たされた。
8年後、加害者の一人娘を捜し当てた時、
胸の奥底に封印した真っ赤な憎悪があふれ出し、奏子の扉を決壊させた。(帯より)
被害者の娘と、加害者の娘、一つの事件は、親の代から、子の代に、受け継がれ、
子供たちは、一生その影を引きずっていくのでしょうか・・・。
ここで描かれた、被害者の娘奏子は、事件の後、叔母の家に、取られ、
幸せな生活を送っているはずなのに、それでも、心に、黒い芯をいつも持っている。
そのため、加害者の子である未歩に、正体を明かさず、近づいて行き、
彼女を、また、犯罪に引きこんで、復讐しようとする。この執念が、怖い。
冷静に考えたら、子供には、何も、罪はないのに・・・。
未歩に、会ってからの奏子の、心の動きが、なかなかです。
ラストは、ひたすら祈りました。