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「秘事」 河野多恵子 2001.08.24
楽しみにしていてくれ、僕の臨終の時にはすばらしい言葉を聞かせるからーーーー
夫は妻に何を伝えようとしたのだろうか?
総合商社の役員・三村清太郎と妻・麻子はともに昭和11年生まれ。
人も羨む仲の二人だったが、その結婚には、ある事故が介在していた・・・・。(帯より)
絵に描いたような、順風満帆な人生。
海外駐在の妻も、嫁としての勤めも、姑としての立場もすべてこともなげにしてしまう、麻子。
こんな人生だったら、さぞ充実した、悔いの残らないものでしょう。
一つの出来事を除いては、完璧人生。
そして、その事故でさえ、彼女の人生には、そんなに暗い影を落としてはいないと思います。
ただ、それがなければ、また、違った人生になったのでしょうけれど、
そのちがった人生においても、きっと、彼女なら、完璧にこなしてしまうのではないでしょうか・・・。
私には、ただ、うらやましい人生としか、思えませんでした。
著者、河野多恵子さんの作品は、たぶん、これを初めて読むのだと思うのだけれど、
所々、読みにくい箇所があって、何回も読み返したりしました。
全集も出ている作家さんなのに、こちらの読み方が悪いんでしょうね(^^;。