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「ターン」 
北村薫 2001.10.09


真希は29歳の版画家。
夏の午後、ダンプと衝突する。
気が付くと、自宅の座椅子でまどろみから目覚める自分がいた。
3時15分。
いつも通りの家、いつも通りの外。
が、この世界には真希一人のほか誰もいなかった。
そしてどんな一日を過ごしても、定刻が来ると一日前の座椅子に戻ってしまう。
ターン。
いつかは帰れるの?
それともこのまま・・・・だが、150日を過ぎた午後、突然、電話が鳴った。(紹介文より)

***

同じ日の繰り返ししか起こらない毎日・・・。
真希には、前日の記憶があるので、また、同じ日だと言うことを認識できるのだけれど、
これで、記憶さえもなくなったら、それは、普通の日々と同じ事かなと、
これを読んでいて、ふと思いました。
ただ、真希の場合は、生物が、他にいないから、異常な世界だけれど、
これで、今の世界と同じ状態だったら・・・? 
ひょっとすると、私たちは、毎日同じ日を過ごしているのかも・・・?
そんな訳の分からないことを頭に浮かべつつ、読みました。
ラストは、気が付くと、涙が一筋・・・・。
私の読んだ、文庫本では、時間の矛盾点を、作者が、最後に解説していました。