仕事や恋愛、人生に疲れた人たちが、そっと胸に隠した欲望や夢。いったいそれは、何だったのか・・・? 一時凝っていた坂東眞砂子さんの短編集です。 この人の名前を見ると、すぐにホラーと浮かぶほどのホラーの達人。 死国とか、狗神とか、映画にもなりました。 でも、もちろん、それ以外のジャンルも書かれているわけで、この本も、ホラーではなく、とてもエロティックな恋愛小説になっています。 でもそれは、ぎらぎらした恋愛小説ではなく、なんとなく、紗を通して見たような、夢のような欲望の物語。 7つの短編で、それぞれが、印象深い話ですが、私の心に特に残ったのは、「陽炎」と「陽だまり」・・・ 考えてみれば、どちらも、ちょっとホラーっぽいかも知れません。 どうしても、この作家に、ホラーを求めてしまうようです。 また、怖いお話書いてください。 |