「パレード」 吉田修一 02.08.22
素顔のままでは生きにくい。
いつの時代も現実は厳しい!
でもふさわしい自分を演じれば、そこは誰もが入れる天国になる。
先の見えない五人の微妙な2LDK共同生活。(帯より)
第15回山本周五郎賞受賞作です。
寄せ集めの5人の共同生活、お互いの生活には、それほど干渉せず、何となく肩を寄せ合って生活している若者達。それはそれで、困った時には、助け合い、寂しい時には、一緒にレンタルビデオを見たりと、なかなか居心地の良さそうな生活です。
住人の一人は、こんな生活をチャットをしているようだといっています。ネット上のチャットと違うのは、匿名ではないというところ。あとは、都合のいい時に集まって、たわいのない話をして、またそれぞれの部屋に散って行く。一見、ノーテンキな若者の集合体なのですが・・・・。結末は、衝撃的でした。
仲良さそうでも、実は、自分の本質は匿名のまま、一緒の家に住んでいただけの人たちの話だったのかな。でも、こんな人たちが増えてるのかも、この頃・・・。
ラストを読んで、また最初から読み返すと違った印象で読めるかもしれない本ですね。
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