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「ふたたびの加奈子」   
新津きよみ 02.10.08



五歳になる一人娘の加奈子を交通事故でなくした桐原容子は、夫の信樹と”加奈子の魂”と三人で暮らしていた。
容子は食事の時も、外出するときも、いつも”加奈子の魂”と一緒だった。
だが、そんなある日、”加奈子の魂”は転生の場所を見つけたらしい。
妊娠三ヶ月の主婦(野口正美)の身体だ。
容子は、ひたすら正美の出産を心待ちにするが・・・・・。
愛する子を失った深い悲しみと、意外な結末が感動を誘うホラーサスペンスの書き下ろし長編。
(裏表紙より)


子供、特に、五歳ぐらいのかわいい盛りの子供を亡くした母親の気持ちは、どんなでしょう。それは、想像を絶する悲しみだと思います。その悲しみを乗り越えるには、容子のように、子供の魂と共に生活するという妄想を抱くのも、無理もないと思います。でも、本当に妄想なのか?思いこみなのか?この本を読んでいて、本当にそんなことがあるのかも、と思ってきてしまいました。そんな時、暗示にかかりやすい私みたいなタイプは、心の平安を得やすいかもしれません。

相変わらず、新津さんの本は、とっても読みやすかったです。