「黒と茶の幻想」 恩田陸 02.10.30
華麗にして「美しい謎」
恩田陸の全てがつまった最高長編
−−−目の前に、こんなにも雄大な森がひろがっているというのに、あたしは見えない森のことを考えていたのだ。 どこか狭い場所で眠っている巨大な森のことを。
学生時代の同級生だった利枝子、彰彦、蒔生、節子。
卒業から十数年を経て、4人はY島へ旅をする。 太古の森林の中で、心中に去来するのは閉ざされた『過去』の闇。 旅の終わりまでに謎の織りなす綾は解けるのか・・・?(帯より)
卒業してから会うこともなかった4人が再会して企画した旅行。 その旅先で、時間を追いながら、4人のそれぞれの思いが綴られてゆきます。 学生時代からずっと、それぞれの胸にしまわれてきた思いを森が癒してくれる。そんな癒しの物語でした。
Y島のJ杉(もちろん屋久島の縄文杉でしょう(^^))への旅。 一度は、行ってみたい場所ですが、なかなか険しそうな山登りと聞いていました。 でも、これを読んで、やっぱり、一度は、行きたいなぁと思います。 読みながらも、体が森の清涼な空気を求めているようでした。
619ページもある長編です。読んでいると、手がだるくなって困りました。 時間のある時にゆっくり読むのに適した本です。 出来れば、私も夏、別荘に行った時にでも読みたかったです。そんなものないけど・・・(T_T)
|
|