「春になったら莓を摘みに」 梨木香歩 02.12.09
「理解はできないが受け容れる」 学生時代を過ごした 英国の下宿の女主人・ウェスト夫人と 住人たちとの騒動だらけで素敵な日々。 徹底した博愛精神と 時代に左右されない手仕事や暮らしぶりが、 生きる上で大事なことを伝える。
(「MARC」データベースより)
素敵なエッセー集でした。イギリスで長いこと下宿生活をされ、イギリスの国、地域に密着して時を過ごした著者の暖かい視線に心を洗われました。
それらの影響は、下宿先のウェスト夫人による物も大いにあると思います。典型的なイギリス婦人とも思われるこのウェスト夫人。彼女について本を書いたら、相当色々なエピソードが浮かんでくると思います。
彼女の周りでは、色々なことが起き、色々な人が集ってくるのです。
彼女のように仕事を持っていない女性(実際には、下宿業という仕事を持っていますが)でも、ボランティア活動で、自分の時間を惜しげもなく使う英国のご婦人達。そんな英国の女性の立派さには、脱帽です。
自分が動けるうちは人のために尽くす。宗教観もあるのでしょうが、イギリスの心の深さを感じられました。 これは、決定的に日本人とは、違うところでしょう。
イギリスというと、食べ物がまずいということが一番に頭に浮かぶ私ですが(行ったこともないのに・・・(^^;)、この本を読んで、認識が変わりました。
この題名のように、世界に春が来て、のんびりと莓摘みが出来るようになるといいなと思います。
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