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「発火点」   
真保裕一   03.02.22

    


12歳のあの日、父が殺され、少年時代の夏が終わった。
人生を変えた殺人。胸に迫る衝撃の真相。
なぜ友の心に殺意の炎が燃え上がったのか?
12歳の夏−−−。
浜に倒れていたあの人。母のため息。家に寄りつかない父。
−−そして事件は起こった。
21歳の今、あの夏の日々を振り返る。
刑期を終えたあの人が帰ってくる・・・・。
罪と罰の深淵を見つめる魂の軌跡。
(帯より)



読みながらずっとイライラしていました。
父親が殺されたことで、人生を生きにくくなった青年の気持ちが分からなかったからです。
もちろん、そんな体験がない私が、同じ気持ちを持つことは出来ないのですが、それにしても、あまりにも、甘い生き方で、読むのがいやになりました。
おまけに、9年前の事件の真相になかなか近づかないので、その点でも、いらつきました。

半分ぐらいになってやっと事件の全貌が見えてくるのですが、どうも真実が何か隠れていそうで、なかなかすっきりしません。
そして、ラストには・・・・
敦也が、わずか1年の間に色々なことを体験し、大人になったことが、とてもたくましく思えました。
でも、なんか最後まですっきりしないのよねー。沼田の殺人の動機が、どうも納得できません。うーむ。