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「トキオ」   
東野圭吾   03.03.07


    


1979年、浅草。時を越えた奇跡の物語 
男は父親になっていく。「彼」との出会いによって。
俺は、あんたの息子なんだよ、宮本巧実さん。未来から来たんだ。
あと何年かしたら、あんたも結婚して子供を作る。その子にあんたはトキオという名前をつける。
その子は十七歳の時、ある事情で過去に戻る。それが俺なんだよ。
(帯より)



さすがに東野圭吾さん、読みやすいですね〜。この、最後まですいすいと読ませる文章力は、すごいです。

この作品は名作「秘密」のように、ちょっと不思議な事が起こります。
息子が未来から会いに来て、父、巧実が巻き込まれた事件の手助けをしてくれるのです。
その巧実のなんと、情けない青年である事よ!(T_T)。
自分の若い頃の姿を知られないからこそ、親は、子供に偉そうなことを言えるんだということが、よ〜〜く分かりますね〜(^^)。
それにしても、このトキオ君、若い頃、どうしようもなかった巧実さんの息子の割に、すごくしっかりしています。自分の運命をしっかり見つめていたからかしら。

結末を私たち読者は知っているので、その分、安心して読めます。でも、その安心感が、読んでいる間中、何か物足りなさを感じさせるような気がしました。トキオ君がいる限り、どんなことがあっても、過去を変えることは出来なのですから。
とはいえ、ラストには、ジーンとしましたが・・・(^^)。