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「四日間の奇蹟」   
浅倉卓弥   03.05.19
    

挫折した音楽家の青年と脳に障害を負ったピアニストの少女との宿命的な出会い。
そして山奥の診療所で遭遇する奇蹟。
選考委員も泣いた!
これぞ癒しと再生のファンタジー。
(帯より)


「このミステリーがすごい!」通称「このミス」が、募集した第一回大賞受賞作です。
ランク付けだけではなく、自ら新人を発掘するのは、いいことなのか?悪いことなのか?
たくさんの機会を与えられる新人作家には、もちろんいいことですけどね・・・。

この作品は、いわゆる犯人探しのミステリーではありません。ミステリーというジャンルの幅が、最近広がったんですねぇ。募集要項にも、「広義のミステリー」とありました。

作品自体は、なかなかいい感じで、読みやすかったです。それぞれの登場人物の過去の話にぐんと惹きつけられました。
そして、その過去から、どのようにして立ち直っていったのか・・・?確かに、癒しと再生の物語ですね〜。
でも、どうしても、二番煎じのイメージが拭いきれないのが、この作品の弱点でしょう。このジャンルの好きな読者が必ず読んでいるある作品の設定に似ているのです。

でも、そう思いながら読んでいっても、終わりまで惹きつけられたのは、やっぱり、作者のうまさですね。
ケイスケ、千織、真理子それぞれが、魅力的でした。

それにしても、心と脳の関係・・・不思議ですね・・・。