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「オーデュボンの祈り」
伊坂幸太郎 03.08.28
警察から逃げる途中で気を失った伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。
江戸以来鎖国を続けているその孤島では、喋るカカシが島の予言者として崇められていた。
翌日、カカシが死体となって発見される。
未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止できなかったのか?
ミステリーの新時代を告げる前代未聞の怪作!(表紙折り込みより)
江戸以来鎖国を続けている島、荻島。・・・そんなばかな!(^^)
しかも、カカシが喋ってしかも予言をするとは・・・(^^;
こんなあり得ない設定で始まる話ですが、ファンタジーミステリー。勧善懲悪小説。・・・なので、安心して読んでゆけました。
カカシがなんで喋るのか?未来が分かるのに、何で予言をしなくなったのか?そして、この島に足りない物とは?江戸時代の話も出てきて、徐々に謎解きが進んでゆきます。
この島の規模は、そんなに小さくもなさそうです。
警察から逃れた伊藤が連れてこられて、島の中を歩いていても、彼がよそから来たとは知らない人も多いようでした。
そんな島に住んでいる人たちの個性もなかなか魅力的です。
警察黙認のヒットマン、桜。太りすぎてある日動けなくなったウサギさん。ちょっと曰くありげな日比野さん。嘘ばかりつく園山さん・・・。
リョコウバトについての話、名探偵に関する考察も、面白かったです。
ですが、ミステリー部分の謎解きは、さらっとしています。もっともっと私をドキドキと感心させて欲しかった〜(^^)。
極悪非道の城山の処理もあっさりでしたねぇ。
この作者さんは、ミステリー部分よりも、それに関わる人々の人物描写に重きを置いているのかな・・・?
それと、島の一日が、すごく長く感じました。3日ぐらいたったかと思っていたら、まだその日のうちだったり・・・(^^;。一日のうちに、いろんな事が起こるからでしょうか(^^)。
もうちょっとこの作者さんを極めてみましょうか(^^)。