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「あなた」
乃南アサ
「それだけは、僕にはどうしようもない」
切なさがとまらない!
心の中まで手に取るようにわかってしまう私なのに。
あなたを見つめるために生まれたはずの私なのに。
見つめれば見つめるほどあなたは逃げてゆく。
そしてこともあろうにあなたは彼女と一緒にこんな所にまでやって来た。
四人の若い男女に続けざまに起こる異変。
それには思いもよらぬ「理由」があった。
恐怖と切なさが交錯する「泣ける」長編ホラー。(帯より)
最初は、全然ホラーっぽくなかったです。
浪人生の青春物のよう。
受験時代を思い出して、胸がちょっと痛みました。
そうなのよ、勉強の辛さから逃げるために、大学生になってからの生活を夢見る事は、多々あるのよねーー(^^;。
そっち方面の切なさを感じつつ読んでいくと、後半は、本格的なホラーになってゆきます。
本を手に取った時、その分厚さに恐れをなしましたが、スラスラとあっという間に読めてしまいました。
でも、「あなた」と呼びかける正体は、だいぶはじめの方で見破っていたので、少々話が、長く感じました。
まあ、なんてしつこいんだろう・・・(^^;。でも、思いこんだら、そんなものなのかもしれませんけど。
読みながら、天井のはじっこをちょっと見てしまいましたねーー(^^;。 (2003.11.11)