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「GMO」
上・下
服部真澄
「食」の危機ーー
人類は未曾有の時代に直面している!
遺伝子組み換え作物の未来を問う、衝撃のエンタテイメント
除草剤でも枯れないコーンや大豆。
カレイの遺伝子を持つジャガイモ。
しかし、それはほんの「序曲」に過ぎなかったーーー。
”神の手”を自在に操る巨大企業とワインビジネスの闇、
優雅なるセレブたちの光と影、
北米アナポリスの放火殺人と南米ボリヴィアの奥地。
すべての仄かな点と線が結びついた時、
醜悪なる「真実」が現れる!
GMOとは遺伝子組み換え作物(Genetically Modified Organisms)のことです。
今よく耳にする遺伝子組み換え作物。果たして、これに危険性はあるのでしょうか。
除草剤でも枯れない作物や、病害虫に強い品種。こんな作物が出来たら、効率的に農作物を収穫出来て、とっても便利のように思います。
しかし、企業の考えることは、それにとどまらず、自社の利益を最優先にした企業としてのもくろみがあるとしたら・・・
これは、もう今や、仮定の問題ではなく、実際の問題なのでしょう。
それが、消費者に受け入れられるか、国が許可するか、一つの山を越えたら、どっとその波が押し寄せてくるような段階にまで来ているのかもしれません。
ある過去を背負ったひとりの男、蓮尾一生。彼が巻き込まれてゆく大きな波。
ちょっと取っつきにくい社会派小説ですが、テンポよく読めました。
世界征服を狙っているような大企業。何でそこまでと、思わずにいられません。
でも、第二、第三の「ジュネアグリ」が、虎視眈々と次を狙っているのでしょう。
いったい、地球の未来の姿は、どんなことになっているんでしょうか・・・?
問題が、ワインからコカインに移って、一層話が奥深くなりました。それぞれのもくろみが絡み合って面白かったです。
ただ、途中、将来に対する危惧が重複して書かれている箇所があって、ここだけが、ちょっとまどろっこしい思いがしました。
服部真澄さんの作品は、今回初めてですが、既刊の「龍の契り」は、読みたい本リストに入っています。今度読んでみようっと!(^^)。 (2003.12.09)