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「アヒルと鴨のコインロッカー」
伊坂幸太郎
引っ越してきたアパートで、最初に出会ったのは黒猫、次が悪魔めいた長身の美青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ち掛けてきた。彼の標的はーーたった一冊の広辞苑。僕は訪問販売の口車に乗せられ、危うく数十万円の教材を買いそうになった実績を持っているが、書店強盗は訪問販売とは訳が違う。しかし決行の夜、あろうことか僕はモデルガンを持って、書店の裏口に立ってしまったのだ!四散した断片(ピース)が描き出す物語の全体像は?注目の気鋭による清冽なミステリ。(表紙見返しより)
いつもながらのしゃれた会話が心地よくて、読んでいると頭が冴えわたってくるような気がしました。
普通の、でも、ちょっと変わった青春ものかと読んでゆくと、過去と未来が交互に書かれていることに途中で(!)気が付きました(^^;
登場人物が個性的ーーまるでアニメのキャラみたい−−で、そして、その個性が一貫していて揺るぎなく、読んでいて楽しかったです。
そして・・・。
本当にびっくりです。
すっかり・・・。
ああ、そうか・・・。
それで??
という感じで、後半は一気に読み進みました。
最後に、この題名の意味が分かります。アヒルと鴨のコインロッカー。
ちょっと泣いてしまいそうでした。 (2004.06.25)