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「ローズガーデン」
桐野夏生
営業マンとしてジャカルタに赴任して2年。博夫はミロから逃げようとし、しかしむしろ深くはまりこんでいく自分を感じていた。すべては高校二年のあの日、庭に薔薇が咲き乱れる家のベッドでともに過ごした時から始まったのだ。そこは彼女が義父と淫らなゲームに興じた場所。濃密なミロの世界を描く短編集。(裏表紙より)
短編集で4つの作品が収録されています。3つの短編は、探偵ミロの物語ですが、最初の1編がミロの夫、河合博夫の告白で、これがもう衝撃的なのです。
この本を薦めてくれたSachiさん(
「Sachi's Booksurfing」
)の言葉通り、「水の眠り、灰の夢」を再読?してから読んだのですが、あの村野善三がーーー!(^^;。と、ショックでした(T_T)。
けっこう、村善に好意ーーというか好感かなーーを持っていたので・・・(^^;。
まあ、人生色々(^^)、こんな過去がミロにあったと言うことで、一層彼女の人間としてのふくらみが出てきたような気もします。それにしても、ミロのこの特異な存在感は、男達を苦しめ、惑わす・・・罪なことです。
他の3編の短編も、ミロの探偵としての仕事の話ですが、結構小粒でピリリと面白かったです。
ちょっとした探偵仕事の中にこそ、人間模様の面白さが凝縮されているような気がしました。 (2004.07.10)