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「禁じられた楽園」
恩田陸  



現代の語り部が贈る、めくるめく幻想ホラー超大作!
さあ、新しい恐怖を語れ。
大学生平口捷は、同級生で世界的な天才美術家烏山響一から招待を受けた。
聖地・熊野の大自然の中に作られた巨大な”野外美術館”へとーー。(帯より)


400ページ余りの厚めの本で、どうなる事やらと思っていましたが、そこは、ストーリーテラーの恩田さんの本だけあって、スラスラサクサク読めました。
特に前半の、謎めいた烏山響一の出現と活躍のあたりは、彼の圧倒的な存在感を感じられて面白かったです。

内容は、結構重かったですねぇ。
人の心の中にある潜在的な恐怖が引き出されてるということは、非常に怖いことです。特に、律子の恐怖は、子供心に植え付けられ、ある種トラウマ状態なのですから、もっとも可哀想でした。

この本は、精神的に追いつめられる他に、視覚的な恐怖もあるので、映像にしたらいいかもしれないですね。ただ、インスタレーションを創作する時に、予算が少ないと、子供だましのものになるおそれが、十分あるので、気を付けて欲しいです・・・なんて、余計なお世話だけどね(^^)。

ラストは、これは、どうやって収束するのかと気をもみましたが、そうきましたか(^^)。最後に登場した人物のことは、すっかり忘れていましたが、そうです、この人しかいませんですよね〜(^^)。 (2004.09.03)