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「翼 cry for the moon」
村山由佳  



オマエハヒトヲフコウニスル。
その呪われた言葉から逃れられない…。
NYと広大なアリゾナを舞台に繰り広げる自由と哀しみの物語。 (帯より)



村山さんの本は、これで3冊目ですが、私は、この作家のことを誤解していました。
最初に読んだ「天使の卵」のイメージが強烈で、女の子の恋愛物専門の作家だと思っていたのですが、次に読んだ「星々の舟」で、ちょっと認識を変え、そして、この「翼」で、恐れ入ったのでした。(読む順番がめちゃくちゃで、なんとも情けない・・・(^^;)

私の大好きなストーリー性のある物語です。はじめは、ふたつの世界を描いていますが、そのふたつが自然に融合してゆきます。
真冬の悲しい生い立ち。そして、母親の呪縛・・・。
途中、あまりにも悲しくて、2回ほど大泣きしてしまいました。どちらもちょうど「お風呂で読書」中で、思い存分泣けたので、その点、とてもラッキーでした〜(^^)。
都会での生活では、ほとんど味わえない自然との関わりの大切さをしみじみ感じましたね〜。
そして、グランドキャニオンには、是非行ってみたくなりました。

ちょうどこの本を読んでいる時に、村山さんを紹介しているテレビが放映されて、自然に囲まれ、自然の中で生活している彼女の姿を見て、なるほど、こうゆう生活をしている人だからこそ、この様な本が書けるんだなぁと、理解できました。もっとも、この本が刊行されたのが、1997年なので、その当時は、どうだったのかは、定かではありませんが、自然を大切にする彼女の姿勢は、きっとこの頃から変わらないでのしょう。

この話、映画化しても、見応えがあって面白いと思います。それには、舞台がアメリカなので、製作はハリウッドでしょうが、主役が日本人や、ネイティブアメリカで、白人は、あまりいいとこなし・・・これじゃあ、ヒットは見込めないでしょうから、やっぱり無理かなぁ(^^;。 (2004.11.30)