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「娼年」
石田衣良
ぼくを、買ってください
リョウ、大学生、男。
夜ごと誘う恋なきエクスタシー
二十歳の夏の、光と影を描く物語。 (帯より)
図書館で借りたので、こんな帯がついてるとは知りませんでした。きゃっ、恥ずかしいーー(^^;。
でも、内容も、そのまんまでしたねーー(^^;。
大学生のアルバイター、リョウがスカウトされて、男娼になり、請われるままに、女性の相手をする様子を事細かく描写してあります(^^;。
描写は、微に入り細に入りで、非常にエロティックなのですが、読んでいても、それが汚らしく感じない。とても、透明感のある文章です。
それは、リョウが、自分では気づかない”普通”さからくるものなのか、この作家独自の感覚からなのか分かりませんが、それが、法を犯している仕事と言うことも気づかせない清潔感がありました。
それは、リョウが、その仕事を金銭目的でなく、誠心誠意こなしているからなのかもしれません。
でも、その仕事を売春と認識したとたん、やはり、非常な違和感を感じました。
いくら、リョウや、アズマや御堂がその正当性を主張しても、一度感じた違和感は、最後まで拭いきれませんでしたねぇ。
それにしても、世の中には、いろいろな嗜好があるもので、それをその個人のパーソナルとすれば、こういう手段も、必要なのかなぁと感じる自分もいました。
娼婦と娼夫とでは、その切実さが大きく違っている感じた私は、間違っているのでしょうか。一つの性しか持たない私には、それは、永遠の謎かもしれません・・・。 (2004.12.04)