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「追憶のかけら」
貫井徳郎  



注目の著者渾身のミステリー巨編!
二転三転する物語は、感動の結末へ!
戦後まもなく自殺した作家の未発表手記。
そこに秘められた「謎」とはーーー? (帯より)



面白かったです。 読んでいて、どうなるんだろうと、ページをめくる指が喜びに震えました?!(^^)。
ストーリーは、様々の人を襲う悲劇を描いているのですが、人間って、人の不幸がこんなにもうれしいものなんだなと、ちょっと自己嫌悪にもなりそうでした・・・(^^;。
途中で入る佐脇依彦の手記は、旧仮名遣いで書かれていて、最初は、少々読みにくく、これは・・・(^^;、と思ったのですが、しばらく読み進むうちにそれも、全然気にならなくなりました。
いったい何があったのか、二重三重の謎がワクワク感を高めていってくれます。

ですが、ちょっとトーンダウンしたのは、肝心の謎解きの部分。
これも、二転三転するのですが、最初の結論があまりにもあり得なさそうな理由だったのに、それに納得しそうな松嶋が、心底情けなかったです。謙虚にもほどがあるというものですよ。
その後の展開も、早く本当の結末が知りたい私には、少々まどろっこしかったです。しかも、たくさんの人物が登場してきて、頭が混乱状態。なんとかして!!と思ってしまいました。
ただ、ラストは、さすが貫井さん、ホロリとさせられ、満足感いっぱいで、読み終わりました。

貫井さんの作品に、しばらくはまりそうです。「慟哭」は、読んだような気がするのですが、また改めて読みたいですねぇ。なんと言っても、題名がいいですよ(^^)。(2004.12.21)