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「凍える島」
近藤 史恵  



第4回鮎川哲也賞受賞作
休暇旅行先の孤島で起こる連続殺人
新感覚の本格推理長編
期待の新人女流作家登場!(帯より)



いかにも本格です。
なにせ、孤島で、連続殺人事件が起こるんですから〜(^^)。
でも、意外なことに、冒頭は、「人物が描かれていない」と言われる本格とは思えないほどの人物造形。私は、てっきり恋愛小説だと思って、読み始めたのでした。

でも、その後、孤島に渡ってからは、あまりにも、典型的な本格もの。
それはそれで面白いんだけど、私の中での本格ブームも終焉を迎えてしまった事は、否めませんでした。
そんなわけで、あまりのめり込めずに読み進み、あぁ、この人が犯人か。と分かったときから、私のドキドキが始まりました。だって、犯人が分かった割に、残りページが多すぎる!!(^^)。ここら辺は、マニアの常識であり、また、悲しさでもあって、映画でも、残り時間によって、ストーリーがどうなるかが、推測できてしまいます。でも、それが、そのまま、この手の作品のお楽しみなのですが(^^)。
この作品も、この点が、評価されたのでしょうね。

でも、個人的には、この鮎川哲也賞の最終候補に残ったもう一つの作品、「慟哭」の方が、好きでしたし、選考から12年たった今読むとしたら、「慟哭」の方だと思います。(2005.05.13)