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「星降り山荘の殺人」
倉知淳
雪に閉ざされた山荘。ある夜、そこに集められたUFO研究家、スターウォッチャー、売れっ子女流作家など、一癖も二癖もある人物たち。交通が遮断され、電気も電話も通じていない陸の孤島で次々と起きる殺人事件・・・・。果たして犯人は誰なのか!?あくまでもフェアに、読者に真っ向勝負を挑む本格長編推理。(帯より)
久々の本格的な本格です(^^)。「雪に閉ざされた山荘」なんて、本当に基本中の基本。ひょっとしたら、本格を夢中で読みふけったときに読んだことがあるかもしれないと思いつつ読んでいったら・・・やっぱり読んでました(^^;。でも、地図が出てくるまで思い出せないなんて、ほんとにねぇ・・・情けないーー。でも、内容もすっかり忘れていたし、せっかくだからと、最後まで読みましたよ。
読者に挑戦する形式で書かれていましたが、1度読んでいるはずの私も、またまた、すっかり騙されてしまいましたーーー(^^;。
巻末に西澤保彦さんの解説が付いていて、そこに貫井徳郎の文章が引用してありましたが、それが面白かったです。「ーー本格とは本来面白くないものーー本格は、先人の築いたパターンを遵守して初めて成立するジャンルです。云々」(抜粋)。なるほどなぁと思いました。確かに、制約が多くて、それを踏み越えたりしたら、周りからの誹謗中傷がすごいことでしょう。でも、それにもかかわらず、作家は、本格を書き、そして、私たちも、喜んで読むんですよね。
確かに、ここしばらくは、本格から離れていた私ですが、やっぱり、読んでいると、ワクワクしてしまう。そんな魅力たっぷりの、今回の本でした。(2005.10.12)