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「嫌われ松子の一生」
山田宗樹
惨殺された
女性の生涯を通して抉り出される
人生の光と影、
気鋭作家が描く
愛と感動の
ミステリー巨編!(帯より)
優秀で、前途有望だった美人教師がたどる転落の人生。
あの松子が、どうして、人生の終わりにあんな姿になってしまったのか・・・。
前半、特に、教師時代の松子の行為がドツボにはまって、ひたすら悪い方へと転がっていくのが哀れでした。よかれと思ってやった、ちょっと常識から外れた行為。何かにパニくったときには、思わずしてしまいそうな事の積み重ねが招いた結果に、胸が痛みましす。
その後の彼女の人生は、まさに崖を真っ逆さまという感じですね。
それなりに努力するところが、また、けなげなのですが、それも心の支えがあってこそのこと。
要するに、人を当てにすることなく、自分の足で立たなければダメって事でしょうか。
帯の文章に、ミステリー巨編となってはいましたが、ミステリー色は薄く、ある女の一生を描いた人生ドラマでした。
どんな人間にも、その人生にはいろいろなドラマがあることを改めて考えさせられますねぇ。(2005.10.22)