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「カレーソーセージをめぐるレーナの物語」
ウーヴェ・ティム
味覚が人生を変える
それは終戦直前の1945年、敗色濃いナチス・ドイツのハンブルクで、
ひとりの女性が若い脱走兵を家にかくまうことから始まった・・・ (帯より)
この魅力的な題名は、なんとしたことでしょう!(^^)。
カレーソーセージ??カレー味のソーセージかしら??
思わず、この本を手に取ってしまった、そこの食いしん坊のあなた!・・・それは、わたしです(^^)。
この本を読むときは、空腹ではいけません。
空腹の場合は、何か、食べる用意をしておいた方がいいですね。それも、お菓子ではなく、温かいスープとか。
ただ、料理のレシピ本ではないので、そんなに食べ物が出てくるわけではありません。むしろ、敗色濃厚なハンブルクの話なので、食べ物は、思いっきり粗末です。
でも、その中に出てくる食べ物の、なんておいしそうなことでしょう。ニンジンとジャガイモとセロリで作る、目をつむって食べる蟹スープ。あぁ、どんな味なんでしょう。
ただ、困ったことに、こちらの気持ちを弄ぶがごとく、なかなかカレーソーセージの話にはなりません。レーナと、若き脱走兵の四週間の生活が、ひたすら語られるのです。
そして、ラスト近くなって、やっとその話が、カレーソーセージの話が出てくるのです。待ちに待ったカレーソーセージ!(^^)。
でも、読み終わってみて分かりました。この料理が出来上がるまでのエピソードとして、それまでの長い物語は、やっぱり必要なものだったのだと。
そして、読み終わって、私も、密かにレーナのカレーソーセージを作るのでした・・・(^^)。 (2005.11.16)