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「ユージニア」
恩田陸
誰が世界を手にしたの?
遠い夏、白い百日紅の記憶。
死の使いは、静かに街を滅ぼした。
知らなければならない。
あの詩の意味を。
あの夏のすべてを。(帯より)
いつも、ちょっと変わった手法で、読者を楽しませてくれる恩田陸。
今回の本は、章ごとに、一人称で語られているのですが、その対象がその都度変わり、且つ、読み進まないと、それが誰だか分からないところが謎めいていて、いったいこれは誰なんだ?という焦燥感を感じさせられました。。
20年以上前の大量毒殺事件の本当の犯人は、いったい誰なのか?
それは、やはりあの人だったのか?
読むほどに、謎は深まり、混沌としてきます。
そしてラストは・・・。
分かったつもりで読んでいっても、最後まで読むと、また、戻って確認せずにいられない本でした。ひょっとしたら・・・と、読者の想像力を最大限に広げてくれる本です。それだけに、面白いけど難しい・・・(^^;。私の考えた結末は、はたして合っているのでしょうか??最後の最後にやっと見えた結末は・・・。
重要人物の緋紗子は、目が見えません。目が見えないということは、こういう事なんだろうなぁと、想像しながら読み進みました。そして、恵まれているが故の葛藤・・・。そんなこともあったのかもしれません。(2005.12.23)