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「レストア」
 オルゴール修復師・雪永鋼の事件簿


太田 忠司  






雪永鋼は腕のいいオルゴールの修復師。
その日彼の元に持ち込まれたのは、
ひとつのオルゴールと、奇妙な”謎”ーーー。(裏表紙より)



太田さんの作品は、昔よく読んだのですが、今となっては、何を読んだのか、覚えていなくて、またまたそんな自分にびっくりしました(^^;。
まあ、でも、とりあえず、久しぶりに読んだ彼の作品です。

レストアとは、オルゴール修復師のこと。
そういえば、オルゴールって、持ってたなぁ。というほど、日常生活とは、少々かけ離れた、品物です。
小説の中に出てくるオルゴールも、だから、ほとんどが、亡くなった人の形見という形で、登場していました。だからこそ、大切にしたい物でもあるわけで、そこで、登場するのが、レストアの雪永鋼なわけです。

そういう個人の歴史を感じさせるような品物には、何かしらの謎があったりすることもあり、それを、雪永が、解明したりする、ソフトな探偵物、謎解き物になっていました。
しかも、この雪永氏自身にも、ある過去があり、そのトラウマからか、鬱病で、療養中という設定です。
今までたくさん本を読んできましたが、主人公が、鬱病という設定は、初めてでした。これも、時代を反映しているのでしょうねぇ。

物語は、5つのオルゴールの話から出来ています。それぞれに、ちょっとした謎を含んだストーリーがあります。それと同時に、睦月という女性と、鋼の関係も、一進一退して進んでゆきます。
軽い話で、スラスラと読めて、面白かったです。
ただ、この主人公の「雪永鋼」という名前が、まるでコミックの主人公の名前みたいで、しっくりしませんでしたーーー(^^;。まあ、個人的なイメージなんですけど・・・(^^;。

読んでいると、色々なオルゴールが出てきて、思わず、オルゴールミュージアムに行きたくなってしまいました。 (2006.08.01)