少女はある夜遅く、父の書斎で一冊の古い「本」を見つけた。竜の挿絵がひとつある以外は何も印刷されていない奇妙な本、そして「不運なるわが後継者へ」という書き出しの宛名のない手紙の束だった。
娘がそれを見つけてしまったことを知った父は、ヨーロッパ各地の史跡へ娘を連れ出した。旅先で父がぽつぽつと語りはじめたのは、彼の学生時代の物語だった。
敬愛していた歴史学の恩師は、ある日「竜の本」にまつわるすべての資料を教え子に託し、突然失踪してしまったという。
教授が最後に口にした言葉、それは・・・。
いったい教授は何を言わんとしていたのか?そして彼はどこへ消えたのか?(表紙折り返しより)
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