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「クローズド・ノート」
雫井脩介
一瞬でも構わない。
これが一瞬でも、
私は生きてきてよかったと言えるーーー (帯より)
ほぼ最初の段階で、結末の予想が付いてしまい、そのまま、その通り進んでゆく小説でした。
なので、主人公が、そのことに気がつかずに、行動するのを読んでゆくのは、少々じれったいことでもあり、でも、思った通りの結末に進んでゆくということは、ある意味、安心で、優越感に浸れることでもありました。
主人公のロマンスとは別に、詳細に説明されているのが、万年筆へのこだわり。雫井さんは、もしかすると、作品を、万年筆で書いているのかなと思ったりしましたが、そんなことはないですね。この作品自体、ネットで、連載されていたものなのですから。
でも、物を書く人にとって、万年筆とは、普通の人とは、ちょっと違った愛着がある物かもしれないので、こういう蘊蓄を読むのは、結構楽しかったです。
ラストは一気に読みました。ちょっとウルウルしながら・・・(^^)。
あの文章を全部暗唱したというのは、嘘っぽいですし、マンドリンの件も、有り得ないと思いつつ、それはそれなりに、ほんわかと満足できたラストでした。 (2006.11.07)