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「ブレイクスルー・トライアル」
  伊園 旬


『このミステリーがすごい!』大賞
第5回2007年大賞受賞作
生体認証システム、新型警備ロボット・・・技術の粋をつくした
難攻不落の研究所を突破(ブレイクスルー)し、1億円を手に入れろ! (帯より)



セキュリティ会社が、自社のセキュリティ製品の宣伝のために、公募したチームに、侵入を試みさせる・・・。
実際に、銀行などで、セキュリティの確認のために、プロに侵入させる試みは、行われているらしいですね。
この物語では、それぞれの事情を抱えた登場人物が、このイベントに参加して、様々なセキュリティを突破してゆきます。
対象となる建物が、警察や、警備会社への通報を考えず、内部だけで処理を行うような、閉鎖的な仕組みになっているのが、ミソでしょうか。

トライアルするのは、3組のグループ。そして、それに対峙するのは、建物の管理人関係者。
広々とした土地に建てられた建物の中に、どんなセキュリティー対策が取られているのか。そして、彼らは、目的の物を持って帰れるのだろうか。

大賞作品ですが、選考委員の票が別れたようですね。
私も、この作品は、面白いのは、面白かったのですが、ちょっと読みにくかったですねぇ。
説明がくどいせいか、文字を読んでいても、頭にすんなり入ってこなくて、何度も、読み返したりしました。
登場人物も、無駄に多くて、メガネチームの存在意味が、あまり感じられませんでした。
セキュリティーも、ID管理と、生体認証、警備ロボット、そして、ラストの大仕掛けぐらいしかなく、ちょっと物足りない〜。その代わりに、銃撃戦があって、派手になっているのですが・・・。
キャラとしては、中心となるチームの二人よりも、管理人関係が、犬も含めて面白かったです(^^)。 (2007.04.04)