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「赤い指」
東野 圭吾
犯罪を越えたその先に、本当の闇がある。
二日間の悪夢と、孤独な愛情の物語。
(「BOOK」データベースより)
とても今時の内容のミステリー小説です。
親との同居、介護、認知症、孤独死、いじめ、インターネット、キャラクターのフィギア、そして、何を考えているのか分からない子供たち・・・。
救いがあるようで、救われないラストでした。
もっと違ったラストを想像していたので、なんだか、余計悲しくなってしまいました。
こうなったら、人間終わりです・・・。
また、親が親としての機能を果たさなくなった恐ろしさも感じました。
相変わらず東野さんの本は、読みやすくて、すいすい読めてしまいました。
ただ、この親が取った行動は、余りにも、現代の科学捜査を見くびった、甘い行動で、正直、驚いてしまいました。TVドラマなり、本なりを読んでいたら、こんな甘っちょろい証拠隠滅行動は、取らないのではないかしら。それとも、本当に、狼狽してしまうと、人間って、こんなばかな行動を取るものなのでしょうか。
彼らの行動に、全く共感できなかったので、ちょっと白々しながら読み進んでしまいました。
刑事の叔父の話も、平行して語られましたが、こちらも、あまり納得できぬまま、終わってしまいました。こんな父と子の関係なんて、ちょっと考えられないなぁ。でも、あんなに思慮深い加賀刑事だからこその、このラストだったのかな。 (2007.04.11)