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「中庭の出来事」
  恩田陸




謎が謎を呼ぶ、物語のロンド
今ここで何が起こっているのか?
恩田ミステリの臨海突破!
増殖する謎のスパイラル (帯より)



色々な形式の作品にチャレンジする恩田陸さん。
今回は、こんな感じになりましたか〜〜。

ホテルの中庭にあるレストランで起こったある脚本家の死。
この事件を中心にして、再び起こる女優の死。
これらの事件を「内側」として、その話を作り上げてゆくのが「外側」の人たち。
そして、「外側」でも、事件が起こり・・・。
最後の方は、もう頭がクラクラと混乱してしまいました。

この作品は、冒頭から、同じシーンが違う女優によって何回も繰り返されるので、もうその時点で面食らいます。
何でこういう事になるのかと、疑問に思っているうちに、また違う話が挿入され、それも、繰り返しはじめ、そして、演者である女優の過去の話、山奥の廃線になった駅舎に向かう男の話等々が挟まれ、これは、いったい何処の話に属するのかと、悩みつつ、話が続きます。

繰り返される同じシーン。でも、同じように見えるそのシーンでも、各女優によって、味付けがされ、微妙に変わっているので、不思議と、読んでいて飽きると言うことがありませんでした。

でも、この複雑で摩訶不思議な物語を読み終え、全てが分かった時点で、あまりカタルシスを感じられなかったのが、残念でした。読み疲れてしまったからかしら・・・(^^;。 (2007.06.13)