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「フィッシュストーリー」
伊坂幸太郎
「なあ、この曲はちゃんと誰かに届いてるのかよ?」 売れないロックバンドが 最後のレコーディングで叫んだ声が、 時空を超えて奇蹟を起こす。 (帯より)
本の帯に「伊坂作品を彩る名脇役たちが巻き込まれる、新たな事件の数々ーーー。」という紹介文が載っていました。
手元に読んだ本を置いておかない私には、確かめるすべもありませんでしたが、ディープなファンの人ならば、きっと、あぁ、この人は、あの作品の・・・と、分かって、さらに面白いんでしょうね〜〜。
私には、探偵で、泥棒の黒澤さんぐらいしか覚えてなかったですーーー(^^;。
4つの短編
「動物園のエンジン」
「フィッシュストーリー」
「サクリファイス」
「ポテチ」
が収録されています。
一番好きだったのは表題作の「フィッシュストーリー」。
ある歌にまつわる話が、時空を超えて繋がってゆきます。こんな感じにリンクしてゆく話って、好きです。書かれた順番も、いいですね。一瞬頭が混乱するのですが、読んでゆくうちに、ワクワクしてしまいました。物事には、すべて、理由がある・・・っていうことですかね。
「ポテチ」に出てくる泥棒の今村君のキャラも面白くて、好きです。ピタゴラスの定理とか、引力の話、笑えますね〜〜(^^)。でも、彼が、野球選手の家に空き巣に入って、そこにおいてある漫画本を熱心に読む姿は、後から思い浮かべると、ちょっと、ぐっとくるものがあったりします。こういうセンスが、とてもいいんですよ〜〜。
ところで、この本の題名のフィッシュストーリーとは、ホラ話とか、作り話という意味だそうす。まあ、小説なんて、所詮、そうなんですけどね〜〜(^^)。 (2007.07.21)