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「遠まわりする雛」
  米澤穂信
神山高校で噂される怪談話。放課後の教室に流れる奇妙な校内放送。摩耶花が作ったチョコの消失事件。「省エネ少年」折木奉太郎たち古典部のメンバーが遭遇する数々の謎。入部直後から春休みまでの1年間を描いた短編集。 (内容紹介より)


いやはや、またシリーズ物の順番を無視して読んでしまいました(^^;。なんと、古典部シリーズ第四弾ですって。
といっても、これは、登場人物は、同じだけれど、一つ一つが独立した短編集なので、大丈夫・・・かな。
人気シリーズのようですが、私は、この作家さんも初めてなので、どんな感じなのか、ちょっとドキドキしながら読み始めました。

主人公は、高校に入学したばかりの男の子、ホータロー。高校生にしては、文章が硬くて、いつの時代の話なのか、最初は戸惑いました。この方は、こういう文体なのですね、きっと。
7つの短編が収められています。

・「やるべきことなら手短に」
読み終わった今ならば、この言葉が、ホータローの口癖、信条であることが分かります。
そして、この一作目で、私は、この作家に惚れました!面白い!!
ちょっとした謎を、いろいろな考察を経て、解き明かしていく謎解き物です。
この1編で、ホータローが、だいぶ分かってしまいました。高校生っぽくないけど、なかなかいいですね〜〜(^^)。

・「大罪を犯す」
彼らが何をしたいかが分かったので、この作品は、ちょっと自分でも推理してみました。
そして、読みながら、もしかすると・・・と思ったことが、当たりだったので、ますますこの作家さんが好きになりました。難しすぎない謎が、とても楽しいわ〜〜(^^)。

・「正体見たり」
これも、分かりやすい話でしたね〜。

・「心あたりのある者は」
たった一文の放送から、ここまで推理するとは・・・。まるで探偵ですね。
この作品は、第60回日本推理作家協会賞短編部門の候補作となったそうです。

・「あきましておめでとう」
これでだいぶ、千反田さんの性格も見えてきました。

・「手作りチョコレート事件」
これは、ホータローの親友、福部里志の心の闇を垣間見てしまいました。女の子としては、許せん!

・「遠まわりする雛」
表題作になっているだけあって、珍しくホータローに動きがあって、面白かったです。
結論は、ちょっとたわいもなくて、私は、てっきりもう一人の人が犯人かと思ってました(^^;。
千反田さん、素敵です(^^)。

シリーズの最初から読んでみたくなりました(^^) (2008,01,14)