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「ホームレス中学生」
  田村裕




麒麟・田村のせつな面白い貧乏生活がついに小説に! 中学生時代の田村少年が、ある日突然住む家を無くし、近所の公園に一人住むようになる超リアルストーリー。 ダンボールで飢えを凌ぎ、ハトのエサであるパンくずを拾い集めた幼き日々から、いつも遠くで見守ってくれていた母へ想いが詰まった、笑えて泣ける貧乏自叙伝。 (内容紹介より)


言わずと知れた、お笑いコンビ麒麟の田村裕が書いた、子供の頃の体験記です。すごく話題になって、大ヒットしましたね〜。ということで、人に借りて読んでみました。

作家ではないので、文章はプロの文とはほど遠く、つたなさが目だつ「体験記」です。そして、内容は、TVなどで紹介されていたので、メインの公園での窮乏生活の話は、少しは知っていましたが、こうして実体験者が書いたものを読むと、なるほど、大変だったんだなぁと、改めて思いました。
中学2年の夏休み。突然家も、保護者もなくなってしまった男の子の困惑。食べるすべも知らずに、ただただ飢えた彼。今の時代に、こんなあり得ない話があるなんて!
そして、その後の奇跡のような、周りの暖かな人たちの思いやりと奮闘は、感動せずにいられませんでした。日本には、まだこんな人たちがいるんだ、まだ捨てたもんじゃないんだと、再認識する思いでした。

その後、たくさんの人たちに支えられ、諭されながら、彼は、今に至ります。
ホームレスを乗り越えてからも、窮乏生活が続き、そのために、人のありがたさや、食べ物の大切さを実感できたのは、きっと彼にとって、何物にも代え難い大切な体験として、残るのだと思います。
そして、あまりの辛さに、これ以上の辛さを味わいたくないと思った気持ち、そして、それに対しての答えを与えてくれた先生。彼の周りには、いい時期に、いい人に巡り会える運があるのかもしれませんねぇ。

最後にたくさんの人に感謝しながら本は終わるのですが、人とは、本当に、たくさんの人に支えられてるんだと、改めて感じます。
なかなか、人に感謝する機会はないものですが、ちょっと立ち止まって、今まで出会った人たちを思い出し、感謝する機会を持つのも大切かもしれないですね。 (2008,01,27)