シネマチェックトップページbook作家別index題名別index     


「本からはじまる物語」
  





「本」「本屋」を舞台に描いた18のストーリー。 (帯より)


18名の作家による「本」「本屋」をテーマにした掌編小説集です。掌編小説とは、短編小説よりさらに短い形式の小説。掌(てのひら)の小説。中河与一が命名した語。(Yahoo!辞書より)だそうで、ショートショートみたいな感じでしょうか。

作家という職業は、本が大好き、本屋が大好きな人がなるわけで、これらに対する思い入れも、きっと尋常じゃないでしょうね〜。私も本が大好きなので、もちろん、その気持、分かります(^^)。

ここに集合した18名の作家さん達の豪華なこと!!恩田陸、本多孝好、山本一力、市川拓司、石田衣良、三崎亜紀などなど。読んだことのある作家さんばかりで、読む方は、楽しめますが、作家さんにしてみれば、小さな作品の中で、自分の個性をどう光らすか、力量を試される場でもあったことでしょう。

私の心に一番響いたのは、市川拓司さんの「さよならのかわりに」。自分の物語を本にしてもらった初老の男の話です。さすが「いま、会いにゆきます」の原作者。優しい心に満たされます。
らしいなと思ったのは、石田衣良さんの「23時のブックストア」。本が好きで、その上、好きな作家さんが似ていたら、相性抜群じゃないですか!?(^^)。

それから、ネコが出てくる話も多かったです。その中でも今江祥智さんの「招き猫異譚」が好きでした。私も時々、ネコって、ひょっとして、すごくお利口さんなの?!と思う時がありますから(^^)。
こうしてみると、本とネコって、よく似合いますね。静かさを好むところが本読みとの共通点かしら。

一つ一つを大切に読みたい小説集でした(^^)。 (2008,03,11)