「フラミンゴの家」
伊藤たかみ
実家は町の下半身と揶揄される「さかえ通り商店街」のスナック。そこで働く男は、別れた妻が入院し、娘を預かることになったが…。
(出版社商品紹介より)
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「八月の路上に捨てる」で芥川賞受賞した著者の長編第一作です。
離婚が多くなって、この本のようなことも、意外と多いのかもしれないですね。
父親と母親、それぞれは、いい人なのに、二人そろうと、ぎくしゃくしてしまうのは、悲しいことですが、晶が愛情豊かな人に囲まれて良かったと思いました。
世の中に、悲惨なことが多すぎるから、なおさらそう感じたのかもしれません。
とはいえ、父親の住環境は、優等生的なものではありませんでした。
はじめは、ちょっと引きますねぇ。
でも、読むうちに、中に入り込んでしまったら、これほど暖かい場所はないような気もしてきました。
みんなが、本音で、生活しているって感じかな。
建前だけの愛情なんて、必要ないですもんね。
文章の視点が父親と、娘と、二方向からなので、読みにくい所が、何カ所かありましたが、それ以外は、素直に読めました。
主人公の元妻、母親、そして、恋人。女性がみんな潔くていい人ばかり。特に、あや子にとっては、恋人の連れ子なんて、うっとうしい存在でしょうに、理想的な関係を作ってくれて、晶も、幸せです。
(2008,03,20)
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